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サザンクロス!

まさか、こんなにも早い時期に地球...いずれはその名称も変わるのであるが、地球防衛艦隊の出撃を招こうとは、、

白色彗星を撃破すべく、参謀はアンドロメダ艦長に全てを任せた。。

全艦、マルチ隊形をとれ!!

波動砲発射!!


イスカンダルの科学の粋を結集した決戦兵器、波動砲が一斉に怒涛の咆哮を轟かす、、



...藤堂平九郎は、内心を隠しきれない。。その表情は、やはりだめであったか、と...冷酷な眼差しで参謀に向けられている。。

地球連邦大統領は何事かに耳を向け、中空にうろたえたような唇をふるわせていた。。

連邦議会はほとんどの輩が腰を落としていた、、あの傲慢な豪語も今はもう笑い話にもならない。。



美しきスターシャがこれほどの形相をしたものか、、近衛の意識集合体、サーシャ連は初めて見る女王の恐ろしい表情に怖れをなした、、

しかし、スターシャの機転は見事である。。。もう次の瞬間には、、


声をかけられることもなく、指もさされなくとも、一言・・・サーシャと呼ばれた、大勢のうちの一人が、主の目の前に膝まづく。

あなた、テレザートに急ぎなさい



スターシャは愛というカタチをもって武装とする。

古代進のように愛のチカラを武器に代えるのではない。精一杯、命ある限り闘うわけでもない。。


イスカンダルの流儀は、最期の切り札さえ自らの手を汚すことはないのだ。。


...スターシャにはこの絶対的絶望な状況下でも、確かな勝算がある。。




騒然としている連邦議会のなかで、独り孤高な男、藤堂平九郎は...

やはり最期のカードをきる。


晶子、この方に電話を...


この方は!?


藤堂平九郎の愛娘は月面のサザンクロス、南部健男と山南修をしらないが、、
今、地球最後の宇宙戦艦は彼らでしかもう起動できないのだ。


藤堂、山南も一緒だ、、俺達二人だけでもなんとかフジヤマを揚げられるさ、

うん、大丈夫だ。。

アッツのほうはどうだ、、



奄美君とうちの藪君がすでに準備をすすめているはずだ、もちろん、火薬も込めてある、、

...今となっては島大介を最初に派遣しようとした目的とは全く違っている。。
ヤマトと並航させ謎の脅威の探索に空間騎兵隊の装備を増強させるべく輸送船としてフジヤマは在ったが...
地球防衛軍の壊滅した状況では、万にひとつの希望のヒカリと祈らずにはいられない...

島大介の操縦が叶わなくとも、、山南修と南部健男の男義に賭けるしか...ないのである。






テレザート星の地下から解放されたとはいえ、テレサは...その地表をいまだまどろんでいた。



...空間騎兵隊の亡骸はそこに残されてはいなかったが、

敗者の哀しみは誰も憐れんでいなかった。。

テレサは激しい戦闘の跡に嘆き、ガトランティスの無名戦士を不思議な念力をもって弔っていた。。


突然!!

激しい墜落音と大袈裟な炎上は意図的だったと、かつての火星観測所の古代進と島大介は思いもよらなかったが、、

もちろんテレサも、、上空を横切り、墜落してきた飛行体に何の疑念もいだかない。。

地面を轟かす衝撃音の直後には...地表ギリギリで衝突をまぬがれ不時着した脱出カプセルに向かう。。

瀕死のサーシャは今回も完璧に使命を果たす...まさに命を懸けて、、

スターシャの思惑を確実に伝えるメッセンジャーなのだ。

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どうかヤマトを、、地球を助け...てくだ...

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・・・さい、、

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テレサは迷っていた。。地球の命運はガトランティスに見初められた時点ですでにもう尽きかけているであろう。。

しかし、、テレサは祈ることで自らのチカラをむしろ忘れようとしていた。。



その迷いをサーシャの握りしめたイメージカプセルは巧みに決断へと誘う。。

静寂と荒廃の支配しているこの惑星の最後の女神に、ヤマトの今を克明に実況、投影しているのだ、、

都市帝国になすすべもなく集中砲火を浴びているヤマトがそこに映っていた。。

古代進をかばい、被弾する宇宙戦闘機の機影も見える...

そして...仲間の死を悲しみ涙を流す姿も。。


...私はヤマトの愛を知ってしまった、、その愛に報いて地球の平和を宇宙の平和に換えられるのは私にしか...


テレサは不思議な能力で忽然と消えた。。

時空を超えて、ヤマトを...地球を救うのだ。。

スターシャのもくろみは...まさに完璧としか言いようがないのである。。







崩壊した要塞都市の亡霊だろうか...

巨大な影が誰の目にも映った。。

暗闇の宇宙空間よりも、さらに暗黒な邪悪を放つ脅威が不気味に佇んでいた。。

固唾をのんで見守るのは古代進だけではない、

約200万人の地球人類...全ての視線はモニターに釘付けになった。。


間もなく、、


今や無重量下でさえ浮かんでいるのが不思議に思える宇宙戦艦ヤマトをかすめるがごとく...

強烈な閃光がガトランティスの超巨大戦艦から発射された。。

その月をも砕こうとする威力のエネルギー砲弾の衝撃は

明けの海地下ドッグまで到達したが、、

山南修はその衝撃にも決して操舵をあきらめなかった、、

月の益荒男は崩れゆく坑道の暗闇の中...

巨大な船体を驚異的なパワーで月表面へ向かわせる、藤堂平九郎との約束を果たさんと...



二人の漢は誰も予想もつかない困難と闘っている、、



南部健男はエンヂン制御をフルロットルなまま...機関室から操縦室へ急ぐ、、山南修ひとりでは、落下してくる岩盤を避けられない、南部健男は銃座に収まるや否や、パルスレイザーで前方の障害岩を撃破する、


南部!!あとどのぐらいだ??

一分だ!!頑張ってくれ!!


その時だった!!

有視界航行用艦橋に強化スティールの構造材が落下してきた、いや、突き刺さってきたのだった、

発進の加速にその勢いは加算され、何のためらいもなく操縦窓は破壊された。。

一気に艦内の酸素は大嵐となり、固定されていなかった未完成部品やら工具のたぐいが乱舞する、、

山南!!無事かーー、、なんとか頑張ってくれ!!

返事がない...

振り向くと無人の操舵席と真空への大穴が目に飛び込んだ、、

とっさに南部健男は操縦席に座り、前方を見た瞬間、、

崩れゆくドッグの正面ゲートに全てを悟った。。



藤堂、聞こえるか?? すまんがちょっと人手が足りないんだ、どうやらアッツまでは無理げだ、、でも約束は約束だ、俺たちはフジヤマを揚げとくぞ!!

倅や西崎に逢ったら、よろしくな^^

後は頼んだぞ!!藤堂!!



フジヤマの操縦桿を最期まで操っていた南部健男はふさぎゆく正面ゲートをギリギリ通過した...

康雄...どうか無事でいてくれよ。。

フジヤマは艦橋の酸素と二人の男の命を失い、そのまま月面に停留した。。



...藤堂平九郎はこれほどの無念と悔しさを噛み締めたことはない。。

山南修、南部健男、、二人の最期を見届けた責任は必ずや、、と心に誓う。。

その時だった、、


眩い光に導かれて瀕死のヤマトが敵わぬ敵に挑んでいった。。


ヤマトがゆく...


藤堂平九郎は万感の想いをこめて敬を礼した。。


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地球復活編 完

双子星

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イスカンダルは合理的で優れた種族の理想郷だ。

他のどの宇宙でも、成し遂げなかった超文明を叶え...

その幸せな住民は常に正しく清らかで美しい。。。

しかし、優れた芸術は哀れな奴隷をもって生まれる、、

長い歴史のなかでイスカンダルが選んだ未来は...


不満分子や叛乱は容赦なく粛清し、数えきれないほどの墓標をもって、あまねく正義を証す。



生まれながらにしての青子や不幸な異形不具などにイスカンダルの威厳と潔癖は汚させない、

それは悪しき伝統ではなく、至極当然なごとく、

超近代産業の廃棄物や燃えカスとともにガミラスへ堕とすことで

由々しきイスカンダルの美を描いてきたのだ。。



もちろん老いていく魂も不要としてきた。。

あらゆる毒素や微生な病原菌すら人為的に循環された大気には一切存在していない。

この星で拒まれたモノはすべて隣の地獄星、ガミラスが受け入れていたのだ。。


言い換えれば、同じ生を授かった双子が全く異なる性格と容姿を持ち合わせ、どちらかに優劣を定め、

優勢なイスカンダルという一方と、醜く惨めなもう片方のガミラスと徹底して二分し、

強者が決めた正義が弱者を邪悪とし、ガミラスという敗者をあらゆる脅威と恐怖で支配しているのだ。。





かつて、、


今から百万年ほどの昔...


長い旅路の果てにこの地に辿り着いたヒトという種はその一方に超科学の全てを注ぎ

惑星全体を無機質で整然とした構造物へと神のごとく造り替えた。。






もしも...


ヒトの手を触れずにその進化の成り行きを神のあまねきに任せていたならば...。



宇宙に浮かぶ愛らしい二つの繭のような...


いつの日かともに羽化し、仲良く寄り添い、

美しく舞う蝶を宿すはずだったこの双子星は...

一体、どのような容姿の天使たちの笑顔で満たされていただろうか。。。




しかし、、


流浪の民、ヒトの介入は、今や見る影もなくお互いを変わり果てさせ..




蜉蝣と毒蛾と...マゼランの星々に囁かれている。。


地球は青かった

遊星爆弾の到来は...

すでに1世紀も前からその青さをなくし、赤錆色によどむほどの環境の破壊と幾千万もの貧困や飢餓、疫病の蔓延したこの星に、むしろ歓迎された。。

自分達が有史以来繰り返してきた愚行と悪行の為体を。。。
もう取り戻せない負の歴史と記憶を。。。
薔薇色の未来を失くし、鳶色の希望も持てない喪失を。。。
生まれくる子供たちのために何もしてあげられずに全てを使い切ってしまった責任を。。。

この突然落下してきた得体も知れぬ脅威にすべての責任をとらせればよいのだ。


業火に焼かれたソドムの街のように冤罪も贖罪もする間も、つもりもなく、

人々はその罪を忘却の彼方に押しやろうとしている。。。


自分達の知っている地球はすでに赤かったのだ。。...決して悪魔に見初められたからではない。。




しかし誰一人としてそのことは、、決して口にしなかった。。




紅に染め上った大気の汚染のもと、多くの種が絶滅危惧と囁かれ。。。
行き場を失った人類は突然の天変地異に初めて団結した、
それは...地球の再起を賭けた復活の...最期のチャンスだったかもしれない。。


ガミラスという神から下った審判は、至極当然な運命だったのだ。。



藤堂平九郎はこの星の住民に新しい変化を期待した。


このまま人類が今までと同じ道を歩もうとすれば、何もせぬままそれでもなお傍観でいるという罪であろう。。


何かを果たさなければ...




この激悪な今を生きている全員がそう思うことによって初めて...


人類はその罪を償えるのである。。







ガトランティス・イスカンダル

やはり、面白い男だ、、

デスラー、いつかまた...

いや、次に逢うときはおそらく、その時が貴様の最期となるであろう、、




英雄の丘を見下ろすせる高台の上から不敵な笑いを浮べているガトランティス、ズウォーダー大帝は

まさに高嶺の見物であった。。


巨砲と脅威は失ったが、そのカリスマこそがまさに宇宙の秩序なのであろう。。

地球上空で待機したままだったバルゼー艦隊を率いての威厳と尊厳は全くの健在だ。。


テレサの存在理由と潜在能力を知りうる者にとっては、目前に迫った反物質空間から逃れる手段はいくらでもあったのだ。。


さあて、これから何を始めようとしているのだ??

まさか、あれほどまでに、侮辱され...

そなたたちの乗り物まで取り上げられ...

言われたままにその原住民と、農耕を興すつもりか??



ゆっくりとスターシャに向かって歩いてくる様子は藤堂平九郎らとまったく変わりないが、、
その眼光には敵意はない。。


そなたは...ガトランティス??


そうだ、わたしがズォーダーだ。。
この星をたった今からガトランティスと呼んでもらう。。


藤堂平九郎によって武装解除されたままのスターシャにバルゼー艦隊の銃口が向けられた。。
地球残存ヒトにはその選択の権利はすでになく、イスカンダルヒトは抵抗する手段を失っている。。

スターシャの切り札、テレサの召喚もこの宇宙の大帝には全く効果がなかったのだ。

サーシャ連はスターシャの右手をじっと見ている。。

はたして、、


その右手は平を天に向けた。。

大帝のおおせのように、、


スターシャにとって、イスカンダルの歴史にとって初めての。。準位である、、

しかし、サーベラの冷ややかな視線を大帝はチカラ強い言葉で遮った。。

マゼランの女神と噂に聞くそなたとともにこの地を我々の新天地としようぞ、、幸いにして、働き手はいくらでもいるからな、、

地球残存ヒトはついに気づく。。ようやく後悔をする。。

その運命はやはり奴隷から逃れられなかった、、


ガトランティス・イスカンダル、


かつての真っ赤な地球は...その表面を挿げ替えられ、やがては移動要塞と化すのだろうか。。


流浪の侵略者は新たな脅威を叶えようとしている。。





藤堂平九郎達を突き動かした神の声、宇宙の真理は、

これから始まる地球の運命をさらなる強固な試練へと導くだろう。。


そして、、地球を旅立った倭もまた...もう再びこの地へ還ってくることなど許されないかのごとく、

果てしない冒険に挑むのだ・・・


星から星へとの文明の伝承とは、、

ゆるぎない使命をおびての船出とは、

まさにこうゆうことだったのか、、


藤堂平九郎とデスラーは、その地球を知らないまま一路、

惑星ビーメラーを目指していた。。

さらば地球よ

スターシャの号令で狂気な錯乱に踊る烏合の衆は、大勢なら無敵の正義を名乗り、独りでは決して意気地の張れなかった興奮に酔い、狂乱な牙を剝く。

五つの神々は崇高な使命をもって降り立ったこの星で罵られ、

強烈な怨念と果てしない恨みを買い、全く容赦のない無慈悲な暴力にさらされ...

かつての美しさと尊厳を見間違えるほど、引き裂かれた身体で償わされている。



ひとつの星の寿命を赤く染め上げ、その罪を背負わせたいがための責任転換が...

まさかこのようなカタチで報いられようとは...



愚かな人々の大罪は終わりなき非業な暴力をもって、その歴史を忘れさせてくれるのだろうか、、



ガミラスより降臨した堕天使達が、ここ英雄の丘臨海公園に磔られたまますでに一昼夜。




イスカンダルに支配され続けたガミラスの歴史もついに、、この罪深き星で幕を閉じようとしている。。

デスラー、バクシーシ、イローゼ、エヴァクライン、ハンナはかつての宿敵、沖田十三の眠る英雄の丘で命の燈火を終えようとしていた。


デスラーは、朦朧とした意識を必死に言葉に代えている。。


...古代はどうした?


その呪文のような呻きはようやく、、勝ち誇った輩のうちのひとりに聴こえた。。


スターシャさんが来てくれるまで持ちこたえたら助かった命を...ヤマトごと無駄にしちまったな、、


デスラーとバクシーシはその言葉を聞いて心の底から悔しいと思った。。

こんな連中のために沖田や古代は命をかけ、あの恋人はガミラスのために涙してくれてたのか...

一旦翻れば、その航路も正義もいとも簡単に変更できる無能な生き物たちのために...

なにもかも無気力で与えられたままで満足できてきた愚弄な輩達のために...

地球という星は...やはりガミラスと同じく、いや、ガミラスという文明はその命の続く限り

自らの全てを未来に賭けていたのだ、、

ガミラスの星命は決して他人任せな運命を選ばない。


ガミラスも地球も、その星命をすでに終えてはいるが...

ガミラスの民は最後のひとりまで威厳と尊厳を胸に秘めたままなのだ。。








最初の遊星爆弾を降下させたとき、原住生物の確認はしていた。。

イスカンダルからの情報で、とるに足りない原生生物など気に掛けることはあるまいと、、


しかし...デスラー達の対峙した地球人は違っていた。。

闘いの中でその勇気と正義はむしろ敬服すべきとさえ思うようになった。。



古代と恋人の安否が心配だ、、とも思えるほどに。。



この星の堕落の果ての終焉とガミラスの滅亡という運命にあって、死力を尽くしお互いの生命の最期まで精一杯の燈火を灯し続けたことは何物にも代えがたい達成感であった。。


それこそがこの二つの星の努めであり、宇宙の生命という真理への到達であった。

それぞれがすでにお互いの星の寿命を看取っていたのだ。



我々はすでに...ヒトとして次の段階を目指す分岐に辿り着いていたのだ。



今この場に生かされている奇跡にこの原住民は何を想っているのだろう...


イスカンダルのようにヒトとしての運命を科学によって護るだけの破廉恥でかつ卑怯で臆病な倫理では宇宙の摂理に背いているのだ。。


デスラーは涙を恥じない。。

おそらく古代たちは、、未来を信じ、誇りをもって命を懸けたのだろう、、

古代たちは...まさに選ばれた最後の地球人だったのだろう、、


ガミラスと宇宙戦艦ヤマトとの死闘こそが宇宙の愛だったのだろう。。


古代と...あの恋人も連れ添って逝ったのか、、どうか、幸せな生涯だったと祝福したい。。


それに比べるとかいう次元ではない、今ここでイスカンダルに平伏したこの狂人たちは所詮、、イスカンダルという意識集合体という強者に...大勢なら安心と安泰と、いとも簡単に従じてしまうレベルの住民だったのか、小さき甲虫や蟻虫のごとくデヂタルで記号化された人生でも満足している生命...


沖田や古代は...わかっていたのか。

それでもこの星のために...

赤き地球の未来を知っていてもなお、、我々と死闘を選んだのか。。



滅びゆくガミラスと荒廃しきっていた地球の最期に...

宇宙の神がもたらした絆をデスラーと古代は胸に刻んだ。。

そしてバクシーシも...いや、この男こそが最初の絆を運んだ、

ガミラスとヤマトとの運命の象徴なのだ。


そして...デスラーは三人の哀しき乙女たちに心から今日までの忠義と奉公を感謝した。。


大ガミラスの最期まで君たちはとても美しく、立派に公務を尽くしてくれた。
本当にありがとう。。イローゼ、エヴァクライン、ハンナ...



衣服も引き裂かれ、美しかった容姿も今は傷ましいデスラーユーゲントの乙女たちに最後の慰めはどんな薬よりも癒しとなった。。それまで我慢していた涙が一気に溢れだし...死の覚悟も恐れを忘れた。。


宇宙の神よ...

せめてこの運命の若者たちを

ヒトの革新の担い手として生かしてくれ...。


デスラーはおそらく最後の景色になるであろう4人の若者をしっかりと眼に焼き付けておこうと思った...。






いったいこのザマはなんだ!!



狂乱の英雄の丘に藤堂平九郎の一喝が響いた。。

山崎チームの制御する原子力エンジンは飛行こそ不可能だが、西崎博文の箱船をアッツより数時間で到着させた。。


お前こそ何者ですか??この者たちはあなた方の憎き仇、ガミラスですよ、、


バルコニーから見下ろす女王は藤堂平九郎を見ていた。。



それがどうした?貴様たちこそ邪悪の権化ではないか、

古代守はどうした!

何処にいる?



もちろん、返事は返ってこない。

古代守を模していた合成胚体はすでにかの地でその役目を終えている。


応えられぬか!?


その藤堂平九郎の迫力に...意志のない連中はすでに言葉と威勢を失い、コマンドを支持されない単なる操り人形のたじろぎである。。

哀れなものだ、、藤堂平九郎は嘆いた。。


藤堂平九郎の周囲を威圧する迫力にひとたび人垣が裂けると気の毒な連中は皆一様にその道を譲り、その道がにわかに広がっていく...

何かに脅え、、臆病な連中のざわつきがさらにそのモーゼの切り開いた海崖をひろげた。


藤堂平九郎の後ろから藤堂平九郎を追い越し、、サムライソードを抜いた森勝利が邪魔モノが避けて出来た真道をゆっくりとデスラーに向かって歩いていくのだ。。 


一体何故、こんなところに降りてきたのだ?


デスラーはその研ぎ澄まされた刀を素直に美しいと思ったが、質問にも正直に応えた。。


古代と恋人の安否が気がかりだった...

気付いた時には時すでに遅かったが、ガミラスのために涙を流し、

私の命をその身を挺して救ってくれた古代の恋人に、、感謝の気持ちを伝え、

心から詫びを尽くす義務が私にはあるのだ、、



崩落していく総統府を緊急離脱させたときモニターに映った、ガミラスの廃墟に浮かぶヤマトの側舷で立ち尽くしていたのは...古代と、その横にはあの恋人だった。。
あの時は脱出するのが精いっぱいであったが、新デスラー戦艦での古代進との決闘の艦橋で見た古代進と恋人に...
デスラーはあの景色を思い出したのだった。。


そうか、古代君と雪が君をこれほどに...雪は私の娘だ。。


御父上か、、、なんとお詫びを申してよいか、、、彼女に救ってもらったこの命をお返しする。。

それ以上はデスラーも言葉を詰まらせてむせぎこんだ、、もちろん体力の限界もあったのだろうが、、これほどの謝罪や純潔な涙は他にないであろう。。バクシーシはこんな総統を想像すらしたことがなかったが、、駆逐艦で救助したときにすでに総統は変わっていた。。

まさに愛、、

バクシーシもまた、もうじき尽きるであろう我が身の命の最期にこの奇跡な瞬間に立ち会えたことを心から感謝した。。


娘の死は覚悟はしていた。もちろん、こんな連中のために命を懸けさせるつもりもなかった。。
還ってきたところで偽りの空気を吸い、狭き場所で何の希望も約束もない未来など...
そうか、君にも古代君と雪はつつましく幸せそうに見えていたか、
しかも今こうして君を私の目の前に招いてくれた。。

私たちは君を恨んではいない。。

ありがとう。。



森勝利はそう言うと、一番衰弱しているハンナの戒めからその正義の剣で解き始めた。。すぐさま、簡易治療箱を持ってきた森勝利の妻、森ルミが手当てを行う。。


もう大丈夫よ、よく我慢していたわね、、今頃でごめんなさい。。


藤堂平九郎ら三人は箱船からホーバギーで海上を渡ってきたのだ。。


森ルミが娘と同じ年頃のガミラスの娘達を手厚く介抱している間、この星の時が止まっていた。。。

バクシーシはなんとか自力で起き上がれ、最期まで呪縛を望んでいた総統を森勝利とともに説得し、肩を貸して歩かせようとしていた。。


しかし、イスカンダルのサーシャ連は上陸舟艇を洋上のヤマトに向かわせ、それぞれの配置に着き始める、

この真摯で整然とした沈黙を打ち消すための武装を急ぐのだ。。


藤堂平九郎はその慌てふためく様子を凝視していたが、、いましばらくこの烏合の衆の行動を見ている義務があった。。

曲がりなりにも同胞だからである。。


私はお前たちに名を名乗れと言ったはず!野蛮人のくせに小癪な!!
もうよい!
さあ、みなさん、この裏切り者どもをガミラスと一緒に罰を与えてください、、



スターシャの罵声にも悲鳴にも聴こえる号令に...気の毒な連中は小さく拳をあげ、隣の声が聞こえるのをたしかめながら、、そうだ、奴らは裏切り者だ、と呟きの合唱をなんとかしてみた。。


私の名前は貴様になど名乗らん、

貴様の下僕に成り下がった連中を同胞だとも思わん、、

デスラー、私が沖田を君たちの星に派遣した藤堂だ。。

辛く苦しい戦いだったが今こうして我々がここに居ることこそ、唯一で完璧な宇宙の真理であり...

勝者も敗者も必要ない、正義の証しだ。。

沖田や古代、森君たちから引き継がねばならん尊い遺産であろう。。。





何を強がっておる??そうか、藤堂というモノ、、周りを見るがよい、、


イスカンダル製の宇宙戦艦ヤマト約十数隻の砲門全てが、地球最後の大和型戦艦と英雄の丘正面広場に向けられていた。。

もはやこれまでの正義か、、いや、

藤堂平九郎はじっとスターシャを見据えている。その表情には一切の迷いがない。
森夫妻はデスラーと怪我人をかばう。烏合の聞こえないようなシュプレヒコールなど気にも留めない。

そして...奄美ツバサは艦橋から空を見上げ、祈っていた。。


長官、お待たせ申し上げました、、フジヤマは成層圏を無事に通過、只今より、コスモパンサー隊は目標を撃破いたします!


海上の箱船から拡大された音声はイスカンダルのヤマトに思いもかけない緊張をもたらす。。

大きく広げられた大気圏内安定翼が、平らな甲板から伸びた様子はコニーデ式火山の裾野を連想させ、

フジヤマと命名された空間騎兵隊の重装備が地球最後の原子力エンヂンによってようやく降臨した。


藪君、見ての通りだ、、遠慮はいらん。。派手にやってくれ、、


藤堂平九郎の指示を待たずにイスカンダルのヤマトの一隻が火を噴いた、、左舷のミサイル発射口後方はイスカンダルのヤマトも致命的な急所らしい。。攻撃準備のため沖に停泊していたことも幸いし、一気に沈没していく...

まさか、、上空からの攻撃など、、もちろん想定外だ、、

イスカンダルのヤマトはそのパルスレイザー銃座を全て上空に狙った。。


ツバサ、大丈夫だったかーーー、、繭も一緒だ!!

吉良明日香はコスモゼロを急降下させヤマトに襲い掛かる、大気圏なら吉良明日香のホームだ。
パルスレイザーの掃射よりも高速でヤマトの左舷に回り込み、狙いを定め魚雷を発射した。。

明日香!!

...オカエリナサイ、、



とても仲の良い親友だった。父親、奄美鳳の辺境探索用飛行艇の専属パイロットとして紹介されてからずっと一緒に動物たちの保護をしていた。。しかしある日遊星爆弾が吉良明日香の操縦する100式探査艇付近に落下してきたのだ、、

どうにか不時着を成功させたが、、その時に父親を奄美ツバサは失った。。

吉良明日香はやはり重傷を負っていたが、奄美ツバサが見舞いに訪れたときにはすでに入院先から唐突に消えていた。。


西崎繭は...やはりその血筋であろうか、、たぐいまれな音楽的才能が被災地への慰問などで多忙になり、、いつのまにか、、今回ヤマトにまで乗り込んでしまった、でも本当は、復興していく地球がどこかなじめないようだった。。

藤堂平九郎の娘、藤堂晶子も南部健男の倅、南部康雄もまた同じく、、
益荒男の子供達は皆、それぞれの立場を立派に果たしていたのだ。。

ツバサ、ごめん... 

吉良明日香は黙って宇宙戦士に志願したことを詫びたが、それは責任を背負ったものでしかわからない強い意志だった。藪助輝もまたしかり...である。。


お言葉に甘えて、空間騎兵の闘いをさせていただきます、、


コスモパンサー...

吉良明日香に古代進の遺品を託した藪助輝のライドするこの古典的なデザインの戦闘機は平成零戦と呼ばれていた二世紀も前の傑作機を手本としているが、それはあくまで空間騎兵の能力増強飛行補助装甲である。。

もしも...はもう無いが、エンヂンノズルを不気味にその表情とした鉄の兵に変形したコスモパンサーがヤマトとともに要塞都市攻防戦に参加できていたら...ヤマト生存者ももう少し多く、いや、ヤマトそのものが無事に帰還叶ったであろう。

しかし、、いずれはこの攻防戦を迎えることになろうとは。。

藪助輝はヤマトの甲板にコスモパンサーを巨大な騎兵、ランドパンテーラに変形させ各砲座を潰していく...。

そしてトドメは...やはり空間騎兵特有の儀式、はるか頭上から振り下ろすルガーP700からウラン弾を発射した。。

僅か10機のコスモパンサーだったが、海上のヤマトはほとんど沈めた。しかし...


母艦、フジヤマは最後に残っていたスターシャの乗ってきたヤマトからの主砲攻撃を翼に被弾し、海中に墜落してしまう...


藤堂とやら、よくも我が艦隊を、、しかしこれで貴様らももうあの小さな飛行機しかないではないか、、

降伏すれば命の保証はしてやろう...



スターシャ旗艦ヤマトはスターシャの揚げた右手を合図に遠隔操作で藤堂平九郎達にその主砲を向けた。


しかもコスモパンサー隊は何処ともなく消えていった。


烏合の衆がにわかに活気づいた。。形勢が傾くほうが連中の正義だ。。
今や、藤堂平九郎とデスラー、森夫妻とガミラスの四名を中心に残して英雄の丘は八人だけが撃たれるよう人垣が丸く広がっていた。

藤堂平九郎は内心、ほっとしていた。

万が一、、この連中の中から、、たった独りでも声をはりあげ胸をはって、違う!!と叫んでくれるかもしれないと時を許していたのだ。。しかし、、そうなったらおそらく全員が違う!!と後から付いてきても困るのだが^^


はたして、、誰一人として、こちらには来ない。。善いザマだなと、ついに藤堂平九郎は決断した。。


スターシャの顔に真っ直ぐと指を指し、向けられた砲口に全くひるまず、毅然として言葉を発す。


この星は貴様にくれてやる、すきにしろ。。

我々は新天地を求めデスラー達を連れてここから去る。。




愚か者め、何を強がっている、、

スターシャが右手を下すのと同時に...しかし、爆発を起こしたのは藤堂平九郎、スターシャのヤマトが爆発した。

何事!!


遠くでさらに爆発音が鳴っている、、スターシャにも聞こえたようだ、、


藤堂、一体、何をしている??


スターシャは藤堂平九郎に叫んだ。。

宇宙船の建造施設を破壊させた。

もうあの軍艦を建造する必要もないだろう。

この星をもう一度、原点から立ち直らせてみるがよい



そして藤堂平九郎はゆっくりと浮上していく大和型戦艦を指さす。


デスラー、あのフネで新天地を探しにいこう。

我々はもう争うべきではない、ヒトの伝承をせねばならぬ運命なのだ。。




森夫妻はデスラーの返事を待たずに女神たちを支えた。。

まずは治療が先決だ、ルミ、そっとだぞ、、



フジヤマは...碧き箱船のエンヂンだった。。決して墜落したのではない、、

初めから大和型戦艦の艦艇に装着させるのが目的で大気圏を突き抜けてきたのだ。。

この碧き箱船こそ、、西崎博文と南部健男が地球の科学力と11番惑星で発掘した遺跡によって完成させた最強の戦艦だ。。

イスカンダルのヤマトを沈めた主砲塔がゆっくりと旋回して何事も無かったかのように鎮座している。。

フジヤマの浮上させた大和型戦艦がゆっくりと英雄の丘に降下してきた。。

イスカンダル製の超近代工場やプラントをすっかり破壊してきたランドパンテーラもコスモパンサーに再び変形し、大和側舷デッキより着艦している。。

旧ヤマトクルーの家族、奄美ツバサのトモダチ達数千頭、世界各地からの遭難者と孤児たち、月より帰還したヤマトクルー、そして...

古代の恋人に救われた命だ、、なんなりと役立ててくれ。。

藤堂平九郎とデスラーの固い握手の上に森勝利とバクシーシも手を重ねた。。

森ルミは儚くも短かかった娘の命に、、その価値と重さに、あらためて涙した。。

スターシャは何か叫んでいるが、この感動的な輪の中には全く聞こえない。。

藪助輝の運転するランドパンテーラがその掌でガミラスの女神たちをそっと抱き上げた。。

コスモパンサーの噴射ノズルの顔色でさえこの星と運命をともにすることを選んだ輩はまともにうかがえない。。
碧き箱船の搭乗デッキまで大きく道があけられていく。。

ホーバギーのガルウィングドアを森勝利がデスラーのために挙げた。

バクシーシは総統を気遣い、その膝を地面につけ丁寧な着座をうながす、、

藤堂平九郎と森勝利はこの二人を心から尊敬できる、、素晴らしい仲間がこれから始まる希望の旅に加わったのだ。。

森勝利がホーバギーを発進させるときについに、、やはりというべきか、、周りからこづかれて、ようやく...いかにもひ弱そうな男が何かを読まされているような言葉で窓越しに口ごもってきた。。

どちらに行かれるのですか?

行先はわからない、食料も地図もない。。我々はそれでも行くべき運命だと思っている。

頼りになるのは神によって選ばれた運と自分達のチカラだけだ、、




何の保障や約束も無い挑戦...

その道を選ぶよりもイスカンダルからの魔法がその者達の幸せであろう。。

この偽りの大地を納得出来るし、ヒトの革新を諦められるのだ。。



藤堂平九郎達は全く、、後ろを振り向く必要がない。

もちろん首を回すほどの興味も関心もすでにないのだ。


長官、出航準備完了しました、、いつでも飛べます。。

島大介の隣にはシマジローが誇らしくベネッセしていた^^

もうすでに両親共々すっかりこの箱船の住民だ。地球に未練はない。。




土門竜介、京塚ミヤコは怪我人の治療に向かった、、

そして、西崎繭も医務室にむかう、、彼女たちに一番近い自分が今すべきことは、総統の存命の悦びよりも最優先だ。




藪助輝も艦橋に吉良明日香たちとあがってきた、


南部康雄は父の忘れ形見の鼓動を感じながら戦闘指揮席に座る、

太田健次郎と相原義一も昼戦艦橋の指定席だ、

藤堂平九郎の娘、藤堂晶子以下ヤマトビューティはマホガニー材で覆われたガリオン船風、情報処理室に自分の席を選ぶ、、


よし、フジヤマ始動!! 

総員、ただちに着座し装帯せよ、



藤堂平九郎の命令に山崎チームが応える、


フジヤマ、燃焼状態は良好、タービン始動!!



島君、やってくれ、、


ハイ、発進します!!


最後の大和型戦艦がついに無限にひろがる大宇宙へとその艦首をむけた...

行く手に待ち受けるのはどのような苦行と困難だろうか、

今はまだ誰も知らないし想像も出来ないのだ。




ただ一つの確かな...想いはフロンティア。。


地球最期の大和型戦艦は正義のジェットを轟かせて今、地球を後にした。。

地球脱出編完

碇を揚げよ!

ヤマトに乗り込んでいたはずの西崎繭の音色が聞こえただけではあったが、、
おそらく脱出艇のパイロット、通信技師、航海士...他にも数人以上は確実に行動を伴にしているだろう。。

しかし、

藤堂平九郎は娘、藤堂晶子率いるヤマトビューティ六人の情報処理室クルーに、

...スターシャの動向次第によるが、、一切の送受信を禁じてから地球防衛本部地下へ急ぐ。


この無防備で身動きもできなくなりそうな地球と最後の希望の地とは情報の交換すら危険だ。今は敬遠しておいたほうがよいと判断し、間もなく、この地球防衛本部も...イスカンダルと変わる前に、行動を興すのだ。。



今は...西崎繭のオカリナを信じ、地球帰還の手段とタイミングは彼らに任せるしかないのだ、

島大介さえ健在なら、全てが仕切り直せる、大気圏突入可能な艦艇...


フジヤマに賭けるしかない。





宇宙戦艦ヤマトの生存者は確かに月面に居る、、しかし奇跡の選抜はまさに人類最後の救世主となる運命をも背負わされているかもしれないのだ。

イスカンダルからの植民はガミラスの移住となんら変わりはない、おそらくは人類の総人口に匹敵するほどの、、宇宙戦艦ヤマト大船団が次々とメガロポリス周辺に着水しているのである。。

戸惑う地球人類に対して、まさに怒涛の光景が...それは先ほどまでの恐怖、ガトランティスの宇宙船団が見慣れた宇宙戦艦ヤマトにとって代わっただけである、いくら復興リーダーの固い握手や面々の歓迎を見せつけられても、侵略されているという感は否めないのである。。








藤堂平九郎、ヤマトビューティは地下緊急避難通路を急ぐ。。


万が一の時...あってはならない事態を想定した連絡通路はもちろん、議会には知られていない。
常に逆説的比喩表現でしか会話の出来ない参謀には特に!知られては面白くないことが、藤堂平九郎チームには数多くあるのだ。。


藤堂平九郎の絶対的信頼と情報処理室のクルーのみぞ、、その通用の権利を有する...




もちろん藪助輝も藤堂平九郎の絶対的信頼において秘密通路を急ぐ...しかし、、
一行が空間騎兵隊専用ハンガーにさしかかったとき、藤堂平九郎はまるで日常の業務連絡のように藪助輝に指令を下した。。




すまんが藪君、もう隠密な必要はなくなった、ご苦労だが...月に飛んでくれまいか、、

もちろん、藪助輝は全てを悟っている。。



ハイ、ただちに!!


今はもう、古代進の遺品となってしまった忘れ形見、宇宙零戦を常に飛行可能にしていたのは藪助輝の個人的な償いのような行為だと囁かれていたが...緊急避難通路に隣接していた空間騎兵隊格納庫にその翼をたたんでいたことは藪助治の霊魂の導きだったかもしれない。。


藪助輝は藤堂平九郎とヤマトビューティらが緊急避難用トロッコに乗り込み、その出発を確かめてから

宇宙零戦のスロットルを開いた、、

空間騎兵隊、出撃します!!








宇宙零戦!!


明けの海月面基地の地下指令室のヤマトクルーは皆一斉にモニターに注目した、、

フジヤマ戦闘艦橋の島大介、南部康雄には肉眼で確認もできる。


こちらにヤマト生存者はおりますか?
こちらは空間騎兵隊...



藪助輝は、やはり一瞬の躊躇をおぼえたが、、そのとまどいは島大介によって繋がれた。。


来てくれたのか、、藪!!

このフジヤマに降りられるか??



ご無事でしたか、、

弟さんもご家族もみなさん元気です!!

了解しました、藪助輝、只今よりフジヤマに着艦いたします、、



すでに瓦礫の山と化した明けの海月面基地で藪助輝は着陸地点を捜す必要がなかった。。
月の益荒男、二人のサザンクロスが命を懸けたフジヤマ滑走路が月面に出現していたからだ、、


南部健男、山南修の執念が明けの海月面基地の存在を示していたのだ。。


まさか、このようなカタチで再会をはたすとは思わなかった二人ではあったが、、

その固い握手は、ほかの17人のヤマトクルー全員に一瞬の安らぎをもたらした。。


実は、、大変申し訳ございませんが、皆様への労いを尽くしたり、ヤマトの最終報告を今は頂戴する余裕が全くありません、、地球は...イスカンダルの支配下にあります、長官はアッツに残されている最期の大和型艦船に向かい、状況を打開しようとしています、島さんの御健在を信じて今一度、フジヤマを...

もちろん、一同は一体何のことか想像もつかなかったが、、太田健二郎は知っていた。。

...やはり、あの船団は、、、



はい、大船団が地球へ降下してきました、しかも宇宙戦艦ヤマトの姿をして。。



どうやら大変な状況らしいな、、俺達は見ての通り、もうなにも持ち合わせていない。

武器も、情熱も、仲間も、使命感さえ...そんな俺達に長官は何を望んでおられるんだ??



島大介はフジヤマを任させていた責任を感じていたからこそ、言える発言である。。


地球もガミラスも...我々はお互い、その最期をすでに看取っているはずです。

偽りの青い空に抱く夢は未来にではなく過去への執着ではないでしょうか、、

長官は決断されました...

碧き箱船の出航の時です、、



...やはり、そう思うか、、

ヤマトクルー全員が頷いていた。。

地球へ帰還したとき見た赤い地球こそが故郷であり、この作り物のような青い星は...
まさに他人の家のように映るのだ。。

我々もついに...宇宙の神話、星から星への旅を...ヒトの文明を他の天体へと伝承せねばならない頃かもしれない...

ガミラスと地球という距離を隔てたかつての同胞の再会は、遠い過去の記憶の回帰、、ヒトという種の宿命を思い出させ...

ヒトは今一度...遥かなオアシスを目指すのだ。。


ガトランティスはその目的を忘れ、永遠の放浪を選び、イスカンダルは超科学に甘え、旅を自ら体験しない。。


ガミラスと地球は...流血と涙をもってその崇高な使命を思い出したのだ。。


このままでは...いずれ、、イスカンダルのヤマトに我々の箱船は沈められるでしょう。。
その前に、、時は一刻の猶予もありません、、

フジヤマにはコスモパンサーが装備されていたはずです、、念のため、空戦のおぼえのあるかたは
着座されたままフジヤマで地表に突入願います。。


藪助輝が着艦してから一時間もしないうちに、臨時の搭乗員として新鋭戦闘機に乗り込んだヤマトクルーと航行艦橋に分かれた島大介らは...



ついに、、宇宙戦艦ヤマト支援甲板、宇宙空母フジヤマを発動させた、、


吉良君、宇宙零戦は大丈夫か??


コスモパンサーに乗り換えた藪助輝は、吉良明日香に操縦桿を渡していた。。


ハイ、100式と同じですし、重力下でしたら...やれます!


奄美鳳の片腕として100式探査艇をライドしていた若きパイロットに伝説の機体は心地よいエンヂンの鼓動で応えている。。


そして、航海艦橋の島大介、南部康雄はかつてのツートップを彷彿させた。。



フジヤマ、発進!!


...選ばれしコスモエイジの地球帰還がついにその使命をおびた。。








メガロポリスのなかでひときわ...その中心に構えた構造物にスターシャは迷うことなく歩み寄る。。

同じ顔をした、側近、近衛兵の行列もまるで自分達の立ち位置を知っているかのように。。


主を待ち焦がれていた玉座の出現は音もなく唐突に、、しかしその優雅な変形と増殖はイスカンダルの科学力の壮大なシンフォニーを奏でる、、

この瞬間からメガロポリスはマザータウンと呼ばれることになった。。

玉座にスターシャが納まると、大統領と参謀は...何故か平伏した。。


いくらか筋書きとは違いましたが、原住民を生かしておくのもまた何かの利用価値があるでしょう、、
あなた方の働きも退屈しのぎにはなりました、

もう、下がってよろしい..



...二人の地球人に似せたイスカンダルの斥候はその役目を終え、かつて古代守だった生体部品を持つ合成胚体と同様な処理をされた。。


スターシャの降臨から僅か二日で、地球防衛軍本部はスターシャのための宮殿へと変わり、

その宮殿には...近衛兵、給仕、楽士、、といったサーシャ連が大勢をなしていた。。


藤堂平九郎はすでにこの場所には居ない。。居たところでこの馬鹿馬鹿しい事態に付き合うつもりもない。。

スターシャは宮殿のバルコニーからサーシャ達と地球人に向かって、建国の宣言をした。。

私はここ、イスカンダルのスターシャ。。みなさんともに栄華を築きましょう。。

...アッツ島に到着した藤堂平九郎はすでに西崎博文の再生した大和型戦艦内で生活をともにしていた旧ヤマトクルーの家族や奄美ツバサ、空間騎兵隊の面々とともに西崎博文の箱船のビデオパネルでメガロポリスの状況を把握している。。

そこに映っている何も理解していない、、、いや、何かに対してどう考え、いかに行動するか、、という思考を持ってはいない無気力で無関心な連中の...新しい女王に平伏し、歓喜と称賛の乱舞に酔う姿に目を疑ったが、、所詮は...とも思った。。


沖田や土方には見せられんな、、これが...本来の地球の姿だ。。


...ガミラスという試練に対面してからようやく、、いや、初めて人類の革新と未知への挑戦という意欲が芽生えたのに...これではまるで。。。ガミラスと出会う以前の地球なままだ。。
古代進の潔さや正しさ、美しさに対しての破廉恥極まりない侮辱だ。。


藤堂平九郎にして、珍しくも溜息や嘆き、忘却へと意識の遠のきそうな一瞬の時間が停滞したとき...


ビデオパネルにはガトランティスな色彩の軍艦が降下してくるのが映った、、


スターシャの遊説に割り込むがごとく悠々とマザータウンに近づくその船体に、、そのカラーリングに人々は恐怖した。。


しかし、、停泊中のヤマト数十隻から一斉の集中砲火がデスラー達を襲う、、

駆逐艦は大破しながらも、マザータウンのバルコニー正面へ不時着した。。


藤堂平九郎は新しい景色に何かの期待を込めて映像を食い入ていた。。

はたして、、ハッチから現れたのは...


皆さん、あの男こそ、我々の仇!
ガミラスのデスラーです!!



スターシャはすでにこの星の君主なのだろう、、

デスラーとバクシーシは自らの意志で運命の地に脚を踏みしめることが叶わず、

否応なしに狂気の民衆の餌食となり、一瞬で暴徒と化した人々の渦に引き擦り回され、ありとあらゆるモノをぶつけられ。。縛り上げられた。。



狂気の宴は駆逐艦内に隠れさせていた、イローゼ、エヴァクライン、ハンナにまで獰猛な獣となり襲いかかる。。


藤堂平九郎はすでに全てのコミュナーが艦内に揃っているのを確かめ、事態の急を決断した。。

碇を揚げよ!!このフネも、ついに発進のときだ!!

機関室の山崎弘と山崎ジェニーは突然の号令に...普段なら見せない緊張した表情で、南部健男からすでに届けられていた小型原子力エンヂンを蠢動させる、、

奄美ツバサは興奮やまないトモダチ達をなだめ、シマジローも不慣れな手つきで脅えきった小動物たちを守る、、

空間騎兵隊の荒武者達は武装の点検をし...

皆、今から起こす行動に揺るぎない自信と確信をいだく。。


藤堂平九郎はついに自ら陣頭指揮をとるのだ、

英雄の丘に向かって、発進せよ!!


スターシャ

イスカンダルからの種を胚してから僅か一年あまりである、、

人類の営みが闇夜から再び灯りを取り戻せた都市はいまだ...ここ、メガロポリスのみだ。。


その超近代都市も、地球連邦総本山城下周辺以外...

大半の新興都市はガトランティスの接近による津波により諦めの廃墟と化していた。

皮肉にもイスカンダルの海水によって。。






人々はそのガトランティスと語った侵略者から解放された代償を深く胸に刻まなくてはならないはずだったが...

宇宙戦艦ヤマトの最期の勇姿を決して忘れまいと心に誓ったばかりだったが...


しかし、幻か白昼夢か、、


真新しく眩い輝きを放つ宇宙戦艦ヤマトは当然のごとく英雄の丘海洋公園に着水した。。


ガトランティスの脅威から逃れようと、かつてのよりどころを頼り、、人々は至極当然に集まっていた。

今や、地球上で唯一人口の密集している聖地なのだ。

スターシャがその降臨に選ぶのは当然だった。



人々は戸惑い、動揺を隠せない、絶望の淵から蘇った歓喜と有頂天の宴のあとに宇宙で一番の恐怖と脅された地獄を彷徨った果てでさえ、

人々は記憶を喪失するほどではなかった、、

宇宙戦艦ヤマトは我々全員の目の前で愛と平和の祈りを灯したまま永遠に旅立っていったのだ、あの光景は忘れようがない、、

今目の前にある宇宙戦艦ヤマトは...

あの宇宙戦艦ヤマトではない、、

あきらかに異国風情な趣と、言葉に表現できない威圧が、そう感じさせるのだ。。




藤堂平九郎は緊張した。。真田志郎ならどう思うだろう、、この対峙に心から歓迎出来るだろうか。。

いや、我々人類は、、ここに生かされていてよかったのか、、

むしろ我々が歓迎されないのではないか、、

全ては今、目の前の女王の最初の...仕草次第であろう、、

それにしては、である。。

人類とかつての恩人との初めての接見はあまりにもスムーズで観劇的過ぎる...

本来ならば決して触れ合う種同士ではないほどの距離を縮めるべき重宝な言葉に語られるはずなのだが...


地球の皆様、私はイスカンダルのスターシャ。。

このたびは、心からお気の毒に思います、

どうか私どもに今一度、復興のお役に立たせてください。。



そのあまりにも聞きなれたフレーズに、辺りは半永久的な、空気の静寂に包まれた、、

はたして。。どこからともなく囁きや溜息の聞こえるうちならいいが、騒然とした怒涛のどよめきに変わらない保証もない、暴動や新たな紛争の火種にはなってほしくないと祈り囁くか弱き人々にとっては、、不思議な時間が無防備に過ぎていく、、


なんともちぐはぐなファーストコンタクトを真っ先に歩み出たのは、思いがけず、参謀と大統領だった、、
深々と頭を下げ、恭しく握手を求め、...満面の笑みで女王を迎えた。。


人々の不信は、リーダーのたたずまいひとつで正しいか間違いかを信頼と安心に換える、、

ふと辺りを見回すと...美しきイスカンダルの女性達が次々と降りたち、地球の人々の歓迎を受け入れ、手と手を繋ぎ、同じ言葉を交わし、穏やかで優しい時間を共有している。。


宇宙戦艦ヤマト同型艦から一体何人ものイスカンダル人が...みな女性に見えるし、同じ表情にも映る。。

ただほんの一瞬のあいだに、、いとも簡単に地球人と一体化し、民衆に紛れていった。。


まるで催眠術や悪魔の囁きのような集団陶酔なのだろうか...

人々は一片の疑惑も必要とせずにイスカンダル人と理解しあえたのか...もちろん、藤堂平九郎はアッツ島に向かう空間騎兵舟艇内のモニターを睨んだまま、、その先に眼光を見据えたまま微動だにしていなかった。。

まるでこれは筋書きのある物語のようだ。。







...どのような理由かは誰も知らない、、

兎に角、コスモクリーナーは最初の起動時にその能力の範囲全ての大気を消失させる、

その起動を合図に持ち帰ったコンテナーがまるで意思のあるかのごとく、

都市を構築し始める...


本来ならばその成り行きがイスカンダルの女王の思惑だったかもしれない。。

しかし、、奇跡の生還を果たしたデスラーの宙間を曲げるほどの気迫が未来を変えた、

宇宙戦艦ヤマト艦内で森雪の命が知らしめたコスモクリーナーの不備?を地上では未然に防げたのだ。。


その結果、人類の生存は今を叶え、借り物の文明に甘んじることが出来た。。


傷つき、疲労困憊な人類にとって...夢のような復興を何の疑念も抱かずに手放しに歓迎したことには、誰も批判はできない、


いや、後にイスカンダルの総移植と呼ばれることになるのだが...






古代進の溜息は何かを感じていたのだろうか、、

まるで仕分け塵のようにイスカンダルに置き去りにされた、兄、古代守の生命の記憶をもったアンドロイド...合成胚体の生体頭脳に微かに残されていた哀しみもまた、知っていたのだろうか。。


あまねく神はデスラーだったのだろうか、、人類の誤った進化はまさに天誅を覚悟すべき到達点だったのか、、


偽りの復興と繁栄に、ガトランティスは審判を下した。ヒトの革新を目覚めさせた。

藤堂平九郎の決断した人類の革新は...決して手遅れではないのかもしれない。。



今となっては誰も答えは出せない。。

メガロポリスのほとんどの大勢は...すでに地球をイスカンダルに明け渡している。





やはり、、地球は...

一年あまり遅れはしたが、、


ついにイスカンダルに成った。。




月のオカリナ

イスカンダルからの伝承はあまりにもウマくコトがめくるめいていた...


混沌とした...カオスは、人工的な気象が大気をうながし

フルオートメイションで大気から海水を蒸留させる神業、

脳髄も感情も見当たらない食用としてだけに増殖する未知の生命、

時を嘲笑いかのごとく背丈を誇る樹木...美しい色彩の恍惚と陶酔がおりなす果実の香り、、

廃墟と絶望から這い出てきた人々にとって

ヤマトが持ち帰った葛篭群から出ずる魔法はまさに驚愕だった。

その数々のコンテナーには、それまで人類の培ってきた
千年も万年をも遥かに超越した技術の粋が凝縮されていたのだ。。

そして驚くべきことに、その葛篭の中には、まるで意思があるかのごとく自ら設置場所を求め、あのイスカンダルで踏みしめた大理石のような地面を瞬く間に...荒れ果てた地表に形成し、直ぐにでも主を迎え入れるべく構造物を一切の工作機械を必要とせずに垂直に強固な幹を生やしていったコンテナーまであったのである、、


これは復興なのだろうか...

まるでイスカンダルを持ち帰ったような...

新たな希望を抱く人々のなかには、ホンの僅かながら...手放しに悦べないものもいたのである。


...藤堂平九郎は、真田志郎からの報告に慎重だった。

コスモクリーナーを、もしも...スターシャの指示通りに最初に地表で起動していたとしたら...。

人類はみな森雪と同じ目に遭っていたのではないだろうか。。

誰の手も借りずに発動したコンテナーがさらに脅威を抱かせたのも無理はないのである。。


しかし...かろうじて表向きに連邦議会員として政治的な立場を藤堂平九郎に許されていた者達にとっては、この未知なる業は極めて魅力的だった。

藤堂平九郎の宣言した、有史以来最大の危機に強行せざるを得なかった軍事的政権も...

この輝かしい未来への幕開けにはもう無用だと誰かが唱えれば誰も異論は思いつかない。。

もはや流血を必要とする制裁も手を汚す災いも無いのだ。。

藤堂平九郎を疎む他の連邦議会員達はヤマト帰還直後すでに

新大統領を基軸とした草案を練り上げていた。。





ヤマトは地下格納庫に忘れ去られ...藤堂平九郎は議会から淘汰されることで、

地球は今一度...複雑で傲慢と貪欲な俗社会へといとも簡単に堕ちていく。。

悪しきシステムも天上から否応なしに構築すればそれが正義であり常識となるのである、

新しい時代には新しいリーダーを!!と、頂上人のみで議会を招集し
でっち上げの大統領を祭ることで...

ようやく地上に這い出てきたばかりの彷徨える民衆をとりこんだ。

かつての...益荒男7人衆を率いてガミラスとの決戦に備え、強力な軍事政権を確立した武将も、、

再び倦怠と安泰な風潮に堕ちた人々にとっては、やはり時代遅れな厄介となったのだ。



この星の歴史は、あの遊星爆弾による審判で、すでに終わっていたのかもしれない。

いや、ガミラス以前に...すでにこの星の青さを知っているものは誰もいなかった。。

人類がその欲望のままに、、大気を赤く染め上げたことを誰も思い出そうとはしなかった。

もはや異星の景色にしか見えない、与えられた文明に居心地の悪さをおぼえるのは...

古代進だけではなかったのである、



古代進の知っている地球は...決して、、


古代進の...物心ついた時にはすでに青くは無かったからだ。。



真田志郎もまた、自分達の還ってきたこの星に、今呼吸している大気に、疑惑と不信を抑え切れない。。


今、謎の白色彗星という脅威に...我々は人類の命運を、イスカンダルから与えられた技術と兵器に全てを懸けて後悔はないのだろうか、、

古代進の提言はもっと先を見越した警告だと真摯に受け止めた連中があの席に居たのだろうか、、

この偽りのメガロポリスに真の地球人は...もう沖田の倅や娘達しか残されてはいないのだろうか...


イスカンダルへの旅は...ヤマト乗組員に誰からともなく大昔の童話を思い出させる。。

ウラシマターロ、、お前の居た故郷はもう遠い昔に何処かに過ぎ去ってしまったのだ...


一体何故、、地球連邦は組織的にヤマトをこの地に留めておこうとするのだろう、、
地球防衛軍は何故、、ほとんどの主力戦艦をイスカンダルの技術のみで無人な航行をさせているのだろう、、


今迫りくる脅威に、地球から向かうのは、あらゆる妨害を振り切って孤軍奮闘の末発進したヤマトただ一隻である...


藤堂平九郎は謎の警告を密にかつ緻密な計画を発起し、

空間騎兵隊の斉藤始には強靭な尖鋭を揃えさせ、すでにヤマトに合流させた。。

そして空間騎兵隊重装備、ヤマト支援兵器も密かに同行させるつもりなのだ。。

しかし...

せめてもの加勢にと、島大介に託そうとしたそのフジヤマも...連邦警察の異常な妨害で不可能となった。。





藤堂平九郎は、明けの海月面航空隊に確実なデマを流す。


明けの海航空隊はヤマトの叛乱を阻止せよ!!緊急スクランブル!!


山南修はすでにフジヤマに搭載していた新鋭戦闘機コスモタイガー二式を旧ヤマトブラックタイガー隊に解放した。。

加藤三郎 山本明 鶴見二郎は...山南修の意志に従い、部隊を引き連れて次々とフジヤマ滑走路から出撃した。



藤堂、これでよいな。。加藤、山本、鶴見...ヤマトを頼んだぞ、、



沖田の子供たちが行く...



古代進以下、地球の...いや、コスモエイジとして未来を担う若者達が、

今一度、この堕落した星から飛び出し、未知なる世界へと飛翔する。。


そこに闘いの火蓋が切っておとされるか、、新たな新天地への冒険かは...

藤堂平九郎も誰も知る由もない。



ただひとつだけ確かなことは...

沖田の息子たちを今この星に引き留めておくことは重大な間違いのような胸騒ぎがするのだ。。




...そして、今...





明けの海月面航空基地の変わり果てた姿に、、

吉良明日香は無言で涙をこらえていた。。

太田健二郎、は新米俵太とともに、すでに艇外の探索に出ていた。。

相原義一はまだ磁気嵐のやまない地上との交信に挑んでいる。。

西崎繭はいつも大切にしているオカリナの無事を確かめてから京塚ミヤコ、土門竜介らと怪我人の手当てをしている。。


島大介と南部康雄は...戦闘艦橋が無人のフジヤマにいた。。

タイムレーダーを再現させると、この宇宙空母がここまでたどり着くまでの無念を非情にも鮮明に、ブリッヂに再生させる。。

船外服の島大介と南部康雄に、南部康雄の父親と山南修の三次元映像が重なり...


南部、お父さん、お気の毒に。。山南兵団長も...俺が最初から操舵してさえいれば...


いえ、ここに今こうして僕たちがいることで父も目的を果たせたと満足していると思います。。
還りましょう、、島さん、フジヤマをよろしくお願いします、、


今や父の形見であり、魂の宿ったこのフジヤマこそ、、月面からヤマトの生存者を地球に帰還させるべく唯一の手段なのだ。。


藤堂平九郎の思惑通り、フジヤマはなんとしても発進させるべきだった。。

しかし、、それを今は言えないだろう、、

もしも、、や、すべきだったとは...今はもう言えないのだ。。


その目的は違ってはしまったが、、やはりフジヤマこそ、、


藤堂平九郎の最期のカードであった。。


そして、並航すべきヤマトを失った今、フジヤマの使命はついに本来の目的を果たすのだ。。




藤堂平九郎の想いは、まさかこのようなカタチで、

この者たちをこの場所に連れてきたのか...

地上で始まりつつある人類終焉の時に、

人類最後の希望ははたして地上に何をもたらすのか、、

若き宇宙戦艦ヤマト最後の乗組員にとってどれほどのチカラがまだ残されているのか...

それは月のみぞ知る、地球の、人類の、最期の試練となるだろう。。












奄美ツバサは遠くアッツ島でその事実を知る。



放射能の汚染が地表全土を覆ってしまってから...奄美ツバサは父親の遺志に従い、父親の親友西崎博文から託された箱船の艦内飼育所に動物たちを避難させ、冷凍睡眠を我慢してもらっていたが、選ばれし命はその息吹の静寂をもって、来たるべき時を、、荒涼とした大気の慟哭がやむのを、艦低を海底に支えられるほど沈下した箱船とともにじっと待っていた...
そしてヤマト帰還後、ここアッツの蘇った大地で野性の蘇生を見守っていた。。


イスカンダルからの恩恵、、意図的に水位の上昇した代替海水もようやくアリューシャンの海溝にも波をもたらす。。


奇跡の聖地としてのアッツ島に地球の遺産を集結させたことは...幸いだった。
ガミラスからの攻撃時にも艦船の航行が可能な海が僅かながら残されていた幸運も味方した。。

穏やかな海水に硬直状態だった地球の生命と遺産がもう一度命を目覚めさせる頃には再び箱船は航行可能となった。。


西崎博文の情熱の結晶、、戦艦大和と空母信濃の鋼鉄から建造されたこのフネに地上に残された貴重種の番い達を集め、ヒトの運命を使命に換えるべく壮大な計画は、着実に進行していた。



放射能の除去された大地にふたたび...冷凍睡眠から動物たちを目覚めさせてからは、その衰えた筋力も快復させなくては...これから始まるであろう長い旅路の支度に奄美ツバサは忙しかったのだ。。



動物たちを再び島の草原に解放したこのフネの艦内は...本当に伽藍だ。。

小さな原子炉とタービンだけで航行するこの箱船のどこに宇宙へと飛び出せるチカラが秘められているのだろう、、







神は見ていた。。

ガトランティスの侵攻はこの辺境の楽園の平和には到達しなかった。。

地軸に影響を及ぼすほどの大質量の脅威が接近した時、、奇跡的偶然が必然として...

アッツ島から移動開始を始めた箱船には全ての動物たちがおさまっていた、、


ガトランティスの招いた大津波は巨大な箱船の安定を脅かした程度でやりすごせたのだ。。




藤堂平九郎の声が奄美ツバサに届く...


奄美君、今しばらくその海で待機していてくれ


その判断こそが、後にイスカンダルに抵抗する唯一の砦となるのだ、、

藤堂平九郎は...イスカンダルのスターシャ、、という響きに疑念を抱かざるを得ない。。





西崎博文はこの地球最大の戦艦を残したまま、単身宇宙に飛んでしまった。。

西崎博文は宇宙戦艦ヤマトの創造主としての責任を果たすべく、

タイタンより引き揚げてきたゆきかぜとともに...

ガミラスとの戦闘跡地を調査しに出向いているはずだ。。


否、


西崎博文は確信があったのだ。。

碧き箱船計画の先陣を切ってすでに最初の目的地、ビーメラ星を目指している。。

孤高な艦隊はまさに...紺碧な艦隊なのだ。。











西崎真由のオカリナは善き者にだけ心地よく響く。


明けの海月面航空基地からようやく地上への交信が繋がった最初の音色に、ヤマト生存者はあえて音声を控えた。。

地球に接近していく無数の光筋を太田健二郎が見つけたからだ。。

ガトランティスの残党だろうか...用心に越したことはない。。




藤堂晶子は懐かしい音色を受信した。。あのメロディだけでわかる。。


藤堂平九郎もその善き音色に耳を傾ける。。


やはりこの異常を知ってか、西崎繭はオカリナに望郷の想いと生存の報告を託したのだ。









テレサの閃光が消えてしまうのと同時に、、地球には無数の宇宙船が降下してきた。。

宇宙戦艦ヤマトが数えきれないほどの宇宙戦艦ヤマトに似た宇宙船を引き連れ舞い降りてきたのだ。。


私はイスカンダルのスターシャ・・


古代守はその艦橋には居ない。。
今ではもう島大介しか知らない、サーシャと呼ばれていた女性に似た大勢を率いて、

イスカンダルからの大移住がはじまった。。








オカリナの音色に...

藤堂平九郎はヤマト生存者の確信をした。。


島大介はそこに居るだろうか...

藤堂平九郎は山南修と南部健男との約束を忘れてはいない、


藤堂平九郎は藤堂晶子以下、ヤマトビューティを率いて連邦議会を脱し、空間騎兵隊とともにアッツ島に向かった。



藪助輝

地球に向かうイスカンダルの大キャラバンもまたテレサからの警告を傍受していた。

噂に聞く白色彗星がとうとうこの宇宙にも侵攻してきたとは、、

しかし...まさか行先が同じ方向だとは想像しがたい、、いくらこちらの思うままの復興再建といってもまだまだ地球の連中も未知の彗星になど興味を抱けないし、探索を挑めないであろう。。

何もせずにおとなしく地球が沈着と身の程をわきまえていさえすれば...

もう二度とその気配すらこの大宇宙では遭遇しないであろう。。


ガミラスにようやく見つけさせ、原住民を虜にし、我がイスカンダルの新たな理想郷へとなりうる地球をみすみす白色彗星の餌食になど...なんとしても、絶対に、、阻止させなければ。。




イスカンダルより地球へ斥候、諜報の責務を任された、今は地球防衛軍参謀を名乗る合成細胞胚体はすでにすべき行動を、同じく合成細胞胚体、地球連邦大統領とともに地球の沈黙令としてうけている。。


第11番惑星宙域で遭難信号を発信された情報も抹消し、当然のごとく応答、救助も発生させない。

冥王星、土星宙域の駐留艦艇も、新鋭旗艦アンドロメダの就航観艦式典に集結させた。

地球の痕跡は太陽圏でもとくに内側なところまで下げなくては。。



防衛会議以来、参謀はイスカンダルへ頻繁な情報を送信する。。当然、返ってくる指示は...

なんとしてもヤマトの無謀を阻止せよ、、

参謀はありとあらゆる手段を、地球連邦警察に許可した。。しかし、そもそも地球連邦警察組織そのものが、

かつて藤堂平九郎の率いた軍事政権とは全く別モノのイスカンダル胚体ばかりで編成されているのだ。。

許可など必要ない。。


古代進の呼びかけに旧ヤマトクルーは即座に集結した。

地球連邦警察は出遅れ、地球防衛軍参謀の焦りは隠密なままではいかなくなった。

もう島大介追跡どころではない、ヤマトそのものを撃破しなければ、、

あの古代進という男の暴虐無人ぶりは...ヤマトを得れば確実に無謀な暴挙を奮起し、白色彗星をこの星に招きかねないのだ、、

女性クルーや既婚者も何人か乗艦しているであろうならと、人質を盾にすべく旧ヤマトクルーのアパートメントも襲撃対象としたのだが...

島大介を無事にヤマトへ送り届けた藪助輝は藤堂平九郎に事態の異常な成り行きを素直に詫びたが、、自分の判断に自信があった。。

藪君、それは大変な判断を任せてしまった、しかし...さすがだったな、

すまんがもうひと苦労、頼んでもよいかな、、



即座に藪助輝はチューブウェイを次の目的地に急ぐ。

はたして、、旧ヤマトアパートメントにはやはり...地球連邦警察が突入しようとしていた。。


藪助輝の脳内に兄、藪助治の魂がなんの躊躇もするなと囁く。。


藪助輝の正義には志の無い悪党の銃弾は当たらない。
撃鉄を熾すロスも引き金をためらう迷いもない。

藪助輝は僅か8秒で地球連邦警察11人の屍をアパートメントのスロープに並べた。。

藤堂平九郎自慢の空間騎兵隊はたったひとりでも戦闘を戦争に換えられるのだ。。

森家 島家 、無事に保護いたしました。。引き続き太田家、土門家の保護に向かいます


ホーバギーの助手席...藪助輝の隣ではシマジローがしげしげと藪助輝を見ている。。

さっきまでアニキの居た場所から純真でまっすぐな眼差しは無邪気で興味も津々だ。。

後席の旧ヤマト幹部二家族をはすでにドアを開けていた。みな心から藪助輝に感謝しているようだが時間もないのだ、、藪助輝は会釈程度しか挨拶叶わなかったが、、


僕は君のお兄さんのトモダチ、藪助輝というんだ、、お兄さんから君を守るように頼まれてる、

こわくなかったかな、、



シマジローのベネッセ笑顔に藪助輝は兄藪助治にもこんな顔で俺はふるまえていたのか、と思った。。

最後の最期まで俺のことを心配してくれてた兄藪助治と幼き自分に心から感謝した。。

そして島大介との今日にも...一番の感謝をした。。


また逢おうな^^おにいさんは少し寄り道してからアッツに行くから^^


空間騎兵隊の装甲車で出迎えた奄美ツバサにもシマジローにもその顔は見せずに手をふる藪助輝はシマジローにだけは自分と同じ境遇にはさせまいと誓った。。

藪助治もまた弟と地球を愛していたのだ。

藪助輝は涙を拭うと、ホーバギーを再び発進させた。。

兄弟

藤堂平九郎は参謀達の陰謀を見抜いていた。むしろ第11番惑星周辺で囁かれている異変をひたすら隠し続けている連邦会議こそ謀反ではないのか、、

一体どんな危機的状況か全く分からないのだ、古代進の威勢の良いヒューマニズムに埋もれるカタチではあるが、藤堂平九郎は島大介に火星へ向かえという偽の司令を下し、途中通過点である明けの海宇宙軍港で空間騎兵隊の重装備を載せたフジヤマの操舵を託そうとしていた。。もちろん、フジヤマ本来の目的ではないが、その艦載機群はどうしてもヤマトに向かわせたい、、島大介には月面で展開されるであろう加藤三郎達の決起する騒ぎの後からヤマトの援護として、地球最後の原子力エンヂン搭載艦フジヤマの初陣を隠密に成し遂げてほしいのである。


フジヤマこそ、まさに純血な地球最後の宇宙戦艦の核である。。


島大介はやはりその律儀な性格であろう、、さすがに古代進達にはうかない表情を隠しきれなかった。。連邦会議の決定という司令こそが藤堂平九郎の独断であり、今から向かう月間連絡船にも偽名で乗船するのだ、、とても一人でうまくやれる自信は無かった。。

意気盛んな仲間としばらく離れることもまた重圧だったが、、第11番惑星の宙域でヤマトとは合流できるはずだ、、そんなことを物思いに耽りながら歩く姿は頼りなく孤独であり...
目の前に停車していたホーバギーにあやうくぶつかりそうなぐらいだった。

と同時にホーバギーのドアが開き、反対側の座席から思いがけず声がかかった、、

島大介さんですね、フジヤマに参りましょう


まさに指示通りな展開だ、、藤堂平九郎から事前に託された命令書とマニュアル、そしてその暗号をきっかけに今もう一つの航路が否応なしにひかれたのだ。。島大介は身震いしつつ覚悟を決めホーバギーの助手席に乗り込んだ。。



まるで犯罪者の逃亡のような物々しさだが、、、古代進の参加した連邦会議以来ずっと島大介は尾行されていた、、地球連邦警察はヤマトの出発をさせまいと、島大介を誘拐監禁する準備を進めていたのだ。。

しかし、地球連邦警察が島大介を捕らえようと行動し始めたときにはすでに藤堂平九郎は空間騎兵隊の幹部、藪助輝に島大介の徹底警護を命じていた。




藪助輝は兄の最期を知らない。

英雄の丘にも藪助治の名は刻まれていない。

今こうして、島大介と隣り合わせてチューブウェイをライドしている緊張と動揺もまた仕方ないことだ。


!!


宇宙港はすでに正面ゲートからホーバギー駐浮場まで地球連邦警察の養豚場と化していた、、これでは島大介の仰天は不可能だ、、しかし、、諜報戦は落としたが、任務の遂行はたとえ違うカタチであっても果たすのが空間騎兵の真骨頂だ、


長官には自分が説明できます、島大介さん、、ヤマトに急ぎましょう。。

もちろん作戦変更だ。。万が一、、ひょっとしたら、、という事態に対峙した時の判断こそが、かつてのクロマニオンのごとく、空間騎兵隊員も個々に五分後を見据えているのである。。


若い兵士は地球連邦警察隊に目もくれないままホーバギーをヤマト臨海公園に伸びるチューブウェイに向けた。。



...藪助輝は初めて会ったヤマトパイロットに対し、自らの名前を名乗るべきかどうかやはり多少は躊躇らったが、、
意を決して、、、

藤堂長官の命により、ヤマト乗艦まで御身を御守りいたします、自分は空間騎兵隊、藪助輝と申します、、

...当然のごとく、二人の男の直線上に一瞬のゆらぎがさざなみ、引き潮のような静寂のあとの奇妙な沈黙と居心地の悪い空気が平行したが...

そうか、君は藪君の...島大介だ、こちらこそよろしく頼む。。

島大介は意外にも微かな微笑みさえ浮かべた挨拶を返した。。


立派な弟?なんだろうなあ。。

あいつも兄弟がいたのか、、


島大介は弟シマジローに特別かしこまった出発を告げずにベネッセ、家を出てきた。。

まさか藪という響きから、兄弟という団欒を思い出させてもらえるとは思わなかった、、

大丈夫だ...

所詮はただの探索だ。大11番惑星はおそらく俺の判断でも航行出来る、、

古代達の意気揚々が事を大袈裟にしているだけで、いつも通りな航行を務めればいいだろう。。


それにしてもこの物々しさは一体なんなんだ。。


地球連邦警察の検問を次々と強行突破するこの男の使命感の異常な高揚と毅然とした表情は...なにか途方もなく険しい困難を予感させる。。

そして、否応なしに記憶の片隅から蘇ってしまうのだ...最後の最後までイスカンダルに対して不信を訴え続けてきた藪の、、あのあまりにも不自然な最期を。。

あれほどの地震と津波が何故あの時あの場所にだけ...もちろんあの時は幸運と素直に悦べたのだが、奇跡的に森雪だけが救われたという偶然...

確かに藪助治は罪を償ったのだろうが、、あまりにも意図的な天誅に島大介もまた、何か割り切れない想いを隠そうと今日まで意識してきたのだ。。

藪助輝もまた、兄からの最後の通信を胸に刻んだままでいる。。限られた通信時間の間に兄はイスカンダルに自分達は試されているのではないだろうか?とずっと語っていた。。
それ以来、周りの同僚とは少し違った意識でヤマトの帰還を祈っていた、しかし...兄はまるでそこに居なかったかのような扱いで戦死とも脱走とも説明を受けず、他のクルーも一切兄の行方を語らない。。


今回、空間騎兵隊の尖鋭は極めて極秘なうちにヤマトに乗り込んでいる、、しかし藪助輝だけは召集されなかった。
そのことは藪助輝自身も仕方のないことだと憶測出来たが、、島大介護衛の任務の重大さもまた大きな責務だと自負している...あと少しでヤマト記念公園の入り口だ、、ホーバギーのスロットルを徐々に藪助輝が加減し始めたようとした瞬間、、

地球連邦警察の装甲ホーバが藪助輝の達成感の真正面に立ちはだかった、、

一切の迷いもなく藪助輝の狙いは正確であり、2175年式ルガーPの威力はすざマヂかった、

地下都市の天上に向けて伸ばした腕を振り下ろしながら自動装弾された2175年式ルガーPは、、
たった数発で百獣の猛者を射止めた。。

島さん、僕は兄の事を理由にはしませんが、今日を御伴出来て心から誇りに思います。。
どうかお気をつけて、、御武運を。。


ありがとう、きっとお兄さんは今の君を自慢に思ってるよ。。
僕にも弟がいるんだ、どうか僕の留守の間、、なにかあったらよろしく頼む、、


ご安心を、、必ず御守りいたします。。

今の二人には再会の約束を誓うほどの握手ではなかったが...
このときの感触をまさか月面で思い出すことになるとは、、



藤堂平九郎の描く物語の未来は誰も予測できないのだ。。

新デスラー戦艦

勝利を確信していたデスラーの視域を眩いほどの閃光が包む...

それは、予想もしなかったヤマトからの反撃の輝きだった...


空間磁力鍍金!!

皮肉にもガミラス反射衛星砲が知恵を与え、ヤマトの切り札としてしまったのだ。。



デスラーの威厳と執念もついに終わる時が来た...
ガミラスの歴史と多くの兵士とともに。。




しかし、総統府操舵手バクシーシの機転は光の速度をも超えた。


反射波動砲の到着と同時に・・・バクシーシは全くの無意識なうちに、
こんな極限状況でさえ、、ヤマトに突っ込んだワープの時と同じように二度目の無茶苦茶なワープにて危機を回避したのである。。



亜空間に突入出来たのも奇跡なら、無事に現在宇宙に帰還できたのも奇跡だった。



もちろん、船体は酷く被弾していた。。激しい衝撃にクルーのほとんどは意識を失っていた、、



デスラー砲銃座にもたれたままの総統はとくに重傷だった。。

もはやすべてのエネルギーを使い果たしたガミラスの移動司令所は、

暗黒の宇宙空間を漂うだけの墓標のように見えた。


しかし、、偶然にも辺境探索中だった、白色彗星帝国、ガトランティスの辺境機甲師団、ナスカの艦隊は突然異次元から出現した幽霊船に興味をもった。。





...この見知らぬ宇宙で見知らぬ船団に救われたことがバクシーシの運命を大きく変えたのだろうか、

およそ20人あまりの奇跡の生存者は
全員が意識を失い、重大な蘇生処置の必要があったが...的確な治療と手厚い看病を得られた。。

しかし、漂流者として救助されたとはいえ囚われの身と何ら変わりはない、この流浪の船団は異星からの兵士を増強することにも何の疑念を抱かない、バクシーシ達、ガミラスの兵士は女性工作員も含めて魅力的な理想戦闘体型を有していたからなおさらだ。

バクシーシ以下全員、ガミラスとしてのプライドは決して失ってはいないが...もう帰れる故郷が無い以上、否応なしに、この船団と行動をともにすることになった。。




ガトランティスの新参として訓練を受け、閉塞した時の流れに身をまかすだけの日常もすでに

一年あまり。。


偉大だった指導者を失い、、生きる希望も、死に場所も選べなかった彼らにとって、、

たとえ気まぐれな独裁者の酔狂や興味本位な情けだったとしても、

ここに居れば兵士としての尊厳は保たれている。。

今はただ、、新しい君主のもと、訓練と遠征に、明け暮れていればいいのだ。。


いつしか、バクシーシ達はナスカ艦隊の中でも尖鋭部隊となっていた。。






治療を終えたデスラーは...その異様なたたずまいと豊富な知識から、まさに特別な待遇を得ている。。

デスラーは生きていた。。ガミラス総統府の残骸のなかでもひときわ、その風情から一見して、タランともども他の瀕死体とは違う身分だと珍重され...、偶然艦隊視察中だったサーベラ総参謀長の命令でナスカの艦隊に収容された直後のまま本隊へ移送させたのだ。。



ナスカにはその生存をガミラスの残存兵達には決して知らせるなと固く約束させ、バクシーシたちの存命もまたデスラーとタランには知らされていない。。


この孤独な総統に従順な部下が複数以上従えば必ずや謀反を企てるであろう、、もちろん畏れることなど決してないが、艦隊の士気にかかわる。。

異星の文化の集合組織なのだ、ガトランティスの中に独立国家は存在させない。。

その上、たった一人だけの側近というのもまた、このデスラーという男を手中で弄ぶのには具合がよいのだ。

常に傍らには、孤独を癒す存在がいる...唯一心を許せるものをこしらえておけば...

いざというときに本当の孤独を味あわせてあげることも可能なのだ。

そのためにも、それまでの命としてタランは生かされている。。



瞬間物質移送??

もちろん、我々もワープミサイルは面倒な争いを避けるときには効果的に使用するが...

小癪な未開の惑星など一瞬で他空間に放り出すこともある。。

しかし、、貴殿の戦闘では何故に...厳粛な儀式と称されるのだ??



今日も二人の武将は自らの武勇伝を語らう。。ガトランティス大帝はこの男をいたく気に入ったのだ。。




大帝、お言葉ですが、、戦争をしている兵士にとって、敵の懐に飛び込み、総大将と真っ向から真剣勝負を挑める絶好な機会を望まないものはおりませぬ。。
男たるもの、その勇気と漢義を発揮できるためなら悦んで時空を飛び越えたいもの...

我々指揮官は、彼らの代わりに目となり耳となり脚となって敵の陣営に彼らを送り込むのです。。

まさに血湧き、肉躍る魂の高揚でございましょう?

相手の眼を見据え牙を剝き、嚙拳を交わす、、それこそが男の闘いではないでしょうか、、その愉しみを単なるパネル状の操作や見えない距離同士の勢力分布など...全くもって荒唐無稽な滑稽ではないでしょうか。。

ですからいくら光の速度や時間の反復を制御支配できたとしても、ワープミサイルや敵陣地の他次元転送などという行為は卑怯なやりかたと羞じるべき!という信念で戦争をしてきました。。


我々は誇り高き騎士道精神こそ戦争の醍醐味だと信じております。



この毅然とした態度、自らの立場をものともせず、全くたじろがないところがまさに一国の君主たるもの、であろう。


よかろう、勇猛果敢な兵士までは用意できんが...
貴殿の瞬間物質移送戦術を是非とも見せてくれ、

ただちに貴殿の専用艦を建造させよう。。





瞬間物質移送に人造人間の操舵する艦船を託すなど、、まるでノンセンスではあるが、

かつてのドメル作戦を思い出させるだけでヤマトにとっては脅威だろう、、

まさに心理的な先制攻撃とするのだ、、


デスラーは不本意ながらそう自分に言い聞かせた。。


しかし...


デスラーに与えられたのは人造人間だけではなかったのだ。。



サーベラ総参謀長はガミラスクルーで構成されるナスカの部隊を好まない。

...まさにこの機会を逃すまいと思った。。




女だな、サーベラ...

ミルにデスラーの監視を言いつけたサーベラ総参謀長は大帝のその呟きがまるで耳に入らないように続けた。。

デスラー達には決して悟られないよう、、ガミラスの残存兵部隊を連れてまいれ、、



フフフ、どうやらただの余興ではおさまりそうもあらんな。。

ガトランティス大帝はその悪魔のひらめきに、もう何も言う気にもならなかった





駆逐艦格納庫...


サーベラ総参謀長の声が響く、、

お前たち、ヤマトが憎いであろう。。
わが軍は今からヤマトの殲滅作戦に向かうが、どうだ、
機銃座にかけてみたくないか?



もちろんです、志願させてください!


ガミラス残存兵はサーベラ総参謀長の企みなど知る由もない、、

ただ駆逐艦整備員がこれより以前に急遽、人造人間を20体降ろすことに疑問を持った程度だ。。


ガミラスの誇り高き最後の戦士たちは...皆それぞれに再会の約束を誓いながら搭乗していった。。

使い慣れたガトランティスの銃座だが、整備員が丁寧に銃座まで案内してくれ、

どうか、御武運を、、

と、機銃室のドアを閉めた。。


間もなく、何の号令も、合図もなく...

駆逐艦はすでに戦闘宙域にいた、、


照準器に映るのは確かにヤマトだ、、

バクシーシはトリガーに忙しい、、ヤマトを確認したら、どんなタイミングでも、自由に射撃を許されている、、

それにしても、、なんという操舵なのだ?

なかなか照準が合わないのは気のせいか...

いや、、この船体の動きは、、、、

ドメル作戦!?

おそらく他のガミラスクルーは気付かないであろう、、

バクシーシはドメル艦隊ハイデルンの直属航空隊のエースパイロットだったから知っている、、

あの日...瞬間物質移送訓練中にたまたま...何もない宙域でまさかの、捕虜となってしまったのだ、

ヤマト艦内で尋問されたときに、自分の居場所さえ言わなかったのは、言えなかったからであった。。

バクシーシの戦闘機はドメル将軍の手によって操られていたのだ、、



重爆撃機を駆ってドリルミサイルをヤマトに突入させるのは本来バクシーシの任務であった。。

しかし、捕虜となった以上、ヤマトに特別な感情をもった兵にその任務は任せられない、、

バクシーシは総統府に移送され、上官であるハイデルンがその責任をとったのだ。。


サーベラ総参謀長は何故この特殊な作戦を黙っていたのだ??

瞬間物質移送作戦は、いわば、正々堂々とした...毅然とした兵法だ。

当然、兵士達にはその潔さとその猛る想いを誇らせるはずである、、

決して姑息だったり隠密な卑怯ではないのだ、、

それが何故??

サーベラ総参謀長は...


バクシーシはもう僅かではない疑念を抱いて機銃座の昇降ドアに手をかけてみた。。

...やはり結錠されている、、

とにかく、、艦橋にいかなくては、、

バクシーシはガトランティスの兵装に感謝し、
腰から引き抜いた拳銃で機銃室のドアをようやく突破した、、

すぐさま、ドアの列からイローゼ、エヴァクライン、ハンナの三人を見つけ、この艦の異常を知らせる。。

そしてついに艦橋へ到達した一行は全てを悟った。。

無人艦船!!

操舵席には人造人間が座り、モニターには...



そっ、、総統府だ、、

総統は生きてらっしゃったのか、、、



人造人間は無反応なままだが各種計器、モニターには冷淡で容赦ない景色が映し出されている、、

ヤマトを中心にして駆逐艦5隻が円陣をとっているようだ、、

ヤマトはすでに反撃をしてこない、そして、、、総統府のデスラー砲口が真っ直ぐにこちらを見据えている、、

まさか!?

囮だというのか、、


バクシーシは人造人間の操縦桿を奪う、、

この修羅場から脱すれば、、全ての答えが得られるのだ、、



デスラーの命令で最後の配置を選んでいたタランは何故か一隻だけ動きがかわったように見えた、、

しかし、、総統の至福な瞬間に余計な邪魔をいれたくない、、

デスラー砲の発射に間髪は入らなかったのだが...





バクシーシはまたもや奇跡の脱出を成功させた。。

自らが標的となった瞬間に高速駆逐艦を超加速させたのだ、、

もちろん、全くの無傷というわけではない...

戦闘宙域は脱したものの、、それ以上の航行は不可能となり...


総統府に接舷させようにも先客がいた、、
あの閃光から逃れたのは、自分達だけではなかったのだ。


...すでにヤマトが総統府に接舷していた。。


おそらく他の艦の戦友は戦況の行方も知らぬまま...

ヤマト包囲の恍惚な高揚のままに...

宇宙の藻屑と化してしまったが、、

我々はまだ...戦えるはずだ!


今は、、感傷にひたっている場合ではなかった、、
今は、、一刻も早く、この高速駆逐艦を総統府に近づけなくては、、


モニターの拡大画像は何か小競り合いを映している、、


エヴァはヤマトの監視!

ハンナ...



バクシーシが号令を言い終わらないうちに、

ハンナはすでに艦内チェックを終え、イローゼと機関室へ向かった。。


...総統府とヤマトが...一体何が起きているのだろう、、

バクシーシとエヴァクラインはいつの間にか艦内の人造人間達が活動を停止していることに気づいた。。


一体どのぐらいの時をやりすごさねば、、

と、そこへハンナ達が戻ってきた。。

もう大丈夫です、、硬直した人造人間がスロットルを支配していただけでした、、


モニターに目を戻すと、ゆっくりとヤマトが離れていく...

こちらには一切興味をしめさないまま、、ワープ宙域に融けて行った。。

決して悠長なタイミングではないはずなのだが、、

バクシーシはその接近を慎重に赴いた。。



そっ、、総統ーーー!?


目指す進路に人影が浮かんでいた。。

あの凛々しさを見間違うはずもない、、エヴァクラインも信じられない、、という顔つきでモニターに見入る、、

ハンナとイローゼはすでにエアロックに向かった、、

この艦の特性に慣れていて良かったと、、ナスカの部隊にバクシーシは感謝した。。




お目覚めでございますか、、


ハンナは携帯治療用具しか持ち合わせていないが、心から回復を願い続けていた。

もちろんエヴァクラインとイローゼも...新総統府の艦内から滋養に関わる品物や飲食物を探してきていた。。

バクシーシは総統との再会の言葉をずっと選んでいた。。

まさに奇跡的な、、そしてたぐいまれな運命なのである、、

この感動をどう受け止めてよいのか、表現したらよいのか...


ありがとう、ハンナ...エヴァ、イロウ...?

そこにいるのはバクシーシか?


思いがけない言葉に全員が緊張した、、

バクシーシよ、、私もヤマトをみてきたぞ。。

まさに、貴様の言ったとおりであった。。

古代という男、、さすが、貴様の命を預っているだけのことはある。。

そして、私もこの命を、、古代の恋人に預けてしまったぞ、、

諸君らが何故こうしているのかは、、おそらくサーベラの仕組んだことだろう、、しかし、もうそんなことはどうでも良い。。

私はこうしてまだ生きているのだな??

ならばバクシーシよ、我々の行くべき道はひとつ、、

ヤマトの後を追うぞ、、

我々の命をヤマトに返さねばならん、、ハンナ、エバ、イロー、、

まことにすまんが、男のわがままに、今しばらく、付き合ってくれまいか??



おおせに、、私どもの命も悦んで進呈させていただきます、、


...母星よりも地球を選んだ航行の果てに、、

この五つの命がどれほどの痛みと涙をもって、かの地へ愛をもたらすかはまだ誰も知らない、、

しかし、今この小さな駆逐艦を操舵するバクシーシはこのうえなく至福であり、

大ガミラスを誇らしく思っている。。







帰還

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ダメじゃないか!!蒼空に出るときはいつも肌身離さず...
お前なら、そのデカすぎる風船の間にでもしまっとけ!!


普段はニヒルな山本教官も・・・緊急帰還誘導ビーコンをたまたまハンガーに置き忘れた吉良明日香に
生涯決して忘れることの出来ない厳しい口調で指導した。。

NEC_04651.jpg

それは宇宙空間に置き去りにされる恐怖と、還るべき場所の温もり、
仲間への信頼と感謝の気持ちを知っている山本だからこそ言える...まさに教訓だった。。

その日の訓練以来、コスモタイガーのコクピットに座る吉良明日香の胸には必ず山本の想いが挟まっていた。

それは最後の戦闘時もかわらない...


あの予想以上の爆発のあと、地球に降り立つことが不可能になるほどダメージをうけた救命艇が
こうして壊滅状態とはいえ、まだカタチの残っている月面基地に到着できたのは

奇跡や偶然などではなく...

部下を想う山本の魂だったのだ。。


吉良明日香は...最後の生存者17人の命を山本の導きによって見事救ったのである。。


DSCN16321.jpg



個人の妄想として、単なるメモ程度なこのブログというフォーマットを利用させていただいてますので、オリジナルキャラの思いつきと思い込みもまた...もしこちらをご覧になってる方がいらっしゃいましたら、どうかご勘弁を^^

テレサVSガトランティス

DSCN16201.jpg

どれほどの爆発だったかは...修理完了した駆逐艦でワープ中だったデスラーにもまだ見えてはいなかったが、

新米俵太の急造した救命艇にはその役割が大きすぎた。。

月面司令部航空隊、最後のパイロット吉良明日香は大気圏の突入をあきらめ...

訓練中にいつも山本教官から言われていたことを思い出した。。



設定資料が見つからない大型救命艇は艦内工場で最後に作られたもの
と考え真田にも優秀な部下がいたとすればやはり新米俵太しか^^
もしもサンダーバードみたいな実写ヤマトが叶ったら、
マリオネット的な魅力満載キャラだと思いますねえ^^

瞬間物質移送作戦が駆逐艦のワープ機能を否定する必要もないでしょう^^
なんといってもガミラス&イスカンダルという文明よりもさらに凄そうな科学力を
ガトランティスはもっているのですから^^

このブログの今後について、、

NEC_03981.jpg

記念艦としてのヤマトってやっぱ、隣には大和を展示するんでしょうね。。
まさに復興と繁栄の象徴として...実は古代進の国防会議での発言が
皮肉にもその勢いを一気に具体的なモノに推し進めたかもしれません。。

NEC_03941.jpg

というわけで、地球防衛軍再編後の南部重工もまたあらたな事業を受注叶うわけですね^^

記念艦には歴史的記念碑を、、レプリカ大和を是非とも展示しましょう!!

NEC_03931.jpg

でもまさかこれほど早い時期に地球が再び脅威にさらされるとは、、
結果的に最後の切り札となったヤマトにもしも万が一...という事態もあるかもしれないと覚悟を決めた
長官は急遽、アトラクション目的だったレプリカ大和に最新最終武装を施すよう極秘命令を下した...とか。。

NEC_03911.jpg

しかし、その艤装工事が始まるも間もなく、ガトランティス砲のデーモンストレーションにさらされた南部重工月面ドックは...はたして長官の刹那な祈りに応えられるのであろうか。。


南部重工月面ドックは、月面司令部航空隊に隣接しているといろいろと面白いかと。。

というわけでさらば以降のヤマトをこれからこちらでは妄想していきます^^





久しぶりに、、

NEC_01381.jpg

おとなしく写真を撮らせたので^^

ツーショット御披露♪

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Author:白蘭花
ドラゴンフライのエンディングを捜す、
ポールのように僕の毎日は夢中に癒されています EVAOOQ

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