まさか、こんなにも早い時期に地球...いずれはその名称も変わるのであるが、地球防衛艦隊の出撃を招こうとは、、
白色彗星を撃破すべく、参謀はアンドロメダ艦長に全てを任せた。。
全艦、マルチ隊形をとれ!!波動砲発射!!イスカンダルの科学の粋を結集した決戦兵器、波動砲が一斉に怒涛の咆哮を轟かす、、
...藤堂平九郎は、内心を隠しきれない。。その表情は、やはりだめであったか、と...冷酷な眼差しで参謀に向けられている。。
地球連邦大統領は何事かに耳を向け、中空にうろたえたような唇をふるわせていた。。
連邦議会はほとんどの輩が腰を落としていた、、あの傲慢な豪語も今はもう笑い話にもならない。。
美しきスターシャがこれほどの形相をしたものか、、近衛の意識集合体、サーシャ連は初めて見る女王の恐ろしい表情に怖れをなした、、
しかし、スターシャの機転は見事である。。。もう次の瞬間には、、
声をかけられることもなく、指もさされなくとも、一言・・・サーシャと呼ばれた、大勢のうちの一人が、主の目の前に膝まづく。
あなた、テレザートに急ぎなさいスターシャは愛というカタチをもって武装とする。
古代進のように愛のチカラを武器に代えるのではない。精一杯、命ある限り闘うわけでもない。。
イスカンダルの流儀は、最期の切り札さえ自らの手を汚すことはないのだ。。
...スターシャにはこの絶対的絶望な状況下でも、確かな勝算がある。。
騒然としている連邦議会のなかで、独り孤高な男、藤堂平九郎は...
やはり最期のカードをきる。
晶子、この方に電話を...この方は!?藤堂平九郎の愛娘は月面のサザンクロス、南部健男と山南修をしらないが、、
今、地球最後の宇宙戦艦は彼らでしかもう起動できないのだ。
藤堂、山南も一緒だ、、俺達二人だけでもなんとかフジヤマを揚げられるさ、
うん、大丈夫だ。。
アッツのほうはどうだ、、奄美君とうちの藪君がすでに準備をすすめているはずだ、もちろん、火薬も込めてある、、...今となっては島大介を最初に派遣しようとした目的とは全く違っている。。
ヤマトと並航させ謎の脅威の探索に空間騎兵隊の装備を増強させるべく輸送船としてフジヤマは在ったが...
地球防衛軍の壊滅した状況では、万にひとつの希望のヒカリと祈らずにはいられない...
島大介の操縦が叶わなくとも、、山南修と南部健男の男義に賭けるしか...ないのである。
テレザート星の地下から解放されたとはいえ、テレサは...その地表をいまだまどろんでいた。
...空間騎兵隊の亡骸はそこに残されてはいなかったが、
敗者の哀しみは誰も憐れんでいなかった。。
テレサは激しい戦闘の跡に嘆き、ガトランティスの無名戦士を不思議な念力をもって弔っていた。。
突然!!
激しい墜落音と大袈裟な炎上は意図的だったと、かつての火星観測所の古代進と島大介は思いもよらなかったが、、
もちろんテレサも、、上空を横切り、墜落してきた飛行体に何の疑念もいだかない。。
地面を轟かす衝撃音の直後には...地表ギリギリで衝突をまぬがれ不時着した脱出カプセルに向かう。。
瀕死のサーシャは今回も完璧に使命を果たす...まさに命を懸けて、、
スターシャの思惑を確実に伝えるメッセンジャーなのだ。
どうかヤマトを、、地球を助け...てくだ...
・・・さい、、
テレサは迷っていた。。地球の命運はガトランティスに見初められた時点ですでにもう尽きかけているであろう。。
しかし、、テレサは祈ることで自らのチカラをむしろ忘れようとしていた。。
その迷いをサーシャの握りしめたイメージカプセルは巧みに決断へと誘う。。
静寂と荒廃の支配しているこの惑星の最後の女神に、ヤマトの今を克明に実況、投影しているのだ、、
都市帝国になすすべもなく集中砲火を浴びているヤマトがそこに映っていた。。
古代進をかばい、被弾する宇宙戦闘機の機影も見える...
そして...仲間の死を悲しみ涙を流す姿も。。
...私はヤマトの愛を知ってしまった、、その愛に報いて地球の平和を宇宙の平和に換えられるのは私にしか...テレサは不思議な能力で忽然と消えた。。
時空を超えて、ヤマトを...地球を救うのだ。。
スターシャのもくろみは...まさに完璧としか言いようがないのである。。
崩壊した要塞都市の亡霊だろうか...
巨大な影が誰の目にも映った。。
暗闇の宇宙空間よりも、さらに暗黒な邪悪を放つ脅威が不気味に佇んでいた。。
固唾をのんで見守るのは古代進だけではない、
約200万人の地球人類...全ての視線はモニターに釘付けになった。。
間もなく、、
今や無重量下でさえ浮かんでいるのが不思議に思える宇宙戦艦ヤマトをかすめるがごとく...
強烈な閃光がガトランティスの超巨大戦艦から発射された。。
その月をも砕こうとする威力のエネルギー砲弾の衝撃は
明けの海地下ドッグまで到達したが、、
山南修はその衝撃にも決して操舵をあきらめなかった、、
月の益荒男は崩れゆく坑道の暗闇の中...
巨大な船体を驚異的なパワーで月表面へ向かわせる、藤堂平九郎との約束を果たさんと...
二人の漢は誰も予想もつかない困難と闘っている、、
南部健男はエンヂン制御をフルロットルなまま...機関室から操縦室へ急ぐ、、山南修ひとりでは、落下してくる岩盤を避けられない、南部健男は銃座に収まるや否や、パルスレイザーで前方の障害岩を撃破する、
南部!!あとどのぐらいだ??一分だ!!頑張ってくれ!!その時だった!!
有視界航行用艦橋に強化スティールの構造材が落下してきた、いや、突き刺さってきたのだった、
発進の加速にその勢いは加算され、何のためらいもなく操縦窓は破壊された。。
一気に艦内の酸素は大嵐となり、固定されていなかった未完成部品やら工具のたぐいが乱舞する、、
山南!!無事かーー、、なんとか頑張ってくれ!!返事がない...
振り向くと無人の操舵席と真空への大穴が目に飛び込んだ、、
とっさに南部健男は操縦席に座り、前方を見た瞬間、、
崩れゆくドッグの正面ゲートに全てを悟った。。
藤堂、聞こえるか?? すまんがちょっと人手が足りないんだ、どうやらアッツまでは無理げだ、、でも約束は約束だ、俺たちはフジヤマを揚げとくぞ!!
倅や西崎に逢ったら、よろしくな^^
後は頼んだぞ!!藤堂!!
フジヤマの操縦桿を最期まで操っていた南部健男はふさぎゆく正面ゲートをギリギリ通過した...
康雄...どうか無事でいてくれよ。。フジヤマは艦橋の酸素と二人の男の命を失い、そのまま月面に停留した。。
...藤堂平九郎はこれほどの無念と悔しさを噛み締めたことはない。。
山南修、南部健男、、二人の最期を見届けた責任は必ずや、、と心に誓う。。
その時だった、、
眩い光に導かれて瀕死のヤマトが敵わぬ敵に挑んでいった。。
ヤマトがゆく...藤堂平九郎は万感の想いをこめて敬を礼した。。
地球復活編 完